こんにちは。
大宮はまだ眼科西口分院
院長の福岡詩麻です。
当院では、 VEGF阻害剤の硝子体内注射を行っております。
加齢黄斑変性や網膜静脈閉塞症、
糖尿病網膜症、近視性黄斑部新生血管により
黄斑部に異常な血管や浮腫を生じて
視力障害を引き起こす疾患が対象です。
VEGF阻害薬の硝子体内注射の際、
これまでは感染予防のために
注射前後に抗菌薬の点眼を
使用するのが一般的でしたが、
最近の国内外の研究結果により、
注射前後の抗菌薬点眼の必要性が
見直されてきています。
これにともない、
専門学会である日本網膜硝子体学会からも
抗菌薬点眼は原則不要であり、
耐性菌の問題から抗菌薬は使用しないことが
推奨されました。
最近の研究によると、
注射前後の抗菌薬点眼を使わなくても
感染症の発症率には大きな違いがないことが
わかってきたとのことです。
また、抗菌薬を必要以上に使用すると
眼の表面や鼻の中の耐性菌の増加を引き起こし、
将来的に必要なときに抗菌薬が
効かなくなってしまう 可能性があるということです。
硝子体内注射は
複数回行われることが多いので
毎回の注射ごとの抗菌薬の使用が
問題となりうるのです。
感染予防のために最も重要なのは
注射の前の消毒や
注射時の手技を適切に行うことです。
感染症に特に注意が必要な 一部の患者さんを除き、
注射前後の抗菌薬点眼は不要とされており、
抗菌薬の使用を減らすことで
将来的な耐性菌の発生を
防ぐことにつながります。
当院でも、
日本網膜硝子体学会の推奨にもとづき、
硝子体内注射を行う際には
これまで通り感染予防のために
必要な消毒や手技を徹底したうえで、
今後は、注射前後の抗菌薬点眼を
使用しないこととさせていただきます。
ご不明な点がございましたら
医師または看護師にご相談ください。
どうぞよろしくお願いいたします。
※当院のVEGF阻害剤の硝子体内注射は
予約制で土曜日に行っております。
高本光子医師、
戸塚清人医師が担当いたします。
>>担当医カレンダー
詳しくはこちらをご覧ください。
日本硝子体学会ホームページ
「VEGF阻害薬の硝子体内注射前後における抗菌薬点眼処方について」
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