こんにちは。
大宮はまだ眼科西口分院
院長の福岡詩麻です。
2020年2月末に書いた
の記事から2ヶ月弱。
学校の休校、
外出の自粛、
緊急事態宣言も出て、
だいぶ当時とは状況が
変わってきていますね。
★眼科に受診しても、
新型コロナウイルス感染による結膜炎
かどうかの診断はできない
★新型コロナウイルスに効く
点眼もわかっていない
ということは変わりませんが、
この2ヶ月間で、眼科の分野でも
新型コロナウイルス感染による
結膜炎について、
新しく論文が報告されてきていますので
まとめてお伝えします。(参考文献1-4)
以下、2020/4/16時点での内容です。
⇒2020/12/26一部改訂しました。
結膜炎症状、風邪症状がある場合は
受付で必ずお知らせください。
※当院では、
充血(目が赤い)やメヤニなど
細菌やウイルス感染による
急性結膜炎が疑われる方は、
別室で診察させていただいております。
ご了承ください。
<結膜炎の症状が出る時期>
新型コロナウイルス感染にともなう症状が、
全身症状よりも先に
なみだ目や充血など
目の結膜炎症状ではじまる方も
なかにはいます(2,3)が、
多くの場合は、 全身症状が出たあと、
しばらく経ってから
結膜炎になるようです。(1,2,4)
また、
新型コロナウイルス感染による
結膜炎がみられるのは、
全身的に軽症の方よりも、
重症な方のほうが多いですが、(4)
呼吸器症状があっても、
熱が出ないですんだような
ごく軽症の方であっても、
結膜炎になることがあります。(3)
<結膜炎の症状と所見>
新型コロナウイルス感染による
結膜炎にかかると、
次のような症状や所見が出ると
報告されています。(2,3,4)
「症状」とは、患者さんが感じるもの
「所見」は、医者が客観的に判断できるもの
のことです。
・充血(目が赤い)
・異物感(目がごろごろする)
・流涙(なみだ目、目がうるうるする)
・結膜浮腫(白目のむくみ、ぶよぶよ)
・水様性眼脂(さらさらした水っぽいメヤニ)
・下眼瞼結膜の濾胞(下まぶたの中がぼこぼこ)
・圧痛を伴う耳前リンパ節腫脹(耳の前のリンパ節が腫れて、触るといたい)
結膜炎と一緒に、
角膜炎(黒目の炎症)も
出る場合があります。(3)
これまでの報告では、
霧視(目のかすみ、見づらさ)を
感じた方はいませんでした。(2,4)
これらの症状や所見は、
急性のウイルス性結膜炎で
ごく一般的にみられる所見です。
アデノウイルスによる
はやり目(流行性角結膜炎)の
症状や所見とも一致しますので、
やはり、
眼科での診察でわかるのは
結膜炎があるかないかだけで、
新型コロナウイルスによる結膜炎と
他の結膜炎との区別はできません。
<新型コロナウイルスの検出>
結膜ぬぐい液や眼脂(メヤニ)の
遺伝子増幅法(PCR)の検査で、
新型コロナウイルスが
検出される方の割合は、
鼻咽頭ぬぐい液でウイルスが
検出される率よりも少なく、
ウイルス量も少ないとのことです。(1,2,4)
とはいえ、
涙の中にコロナウイルスが
出てきている場合もあるので、
目からの感染を防ぐ
そして
他の人に感染させない
ためには、
★手をよく洗う
点眼やコンタクトなどで
目を触る前後には特にしっかり
★目や涙、メヤニを触らない、こすらないこと
★メヤニや涙を触るときは、
ティッシュを使って、
その場ですぐ捨てる
ということが非常に大切です。
<当院での新型コロナウイルス対策>
当院でも
いろいろな感染予防対策をとりながら
診療を続けております。
受診に不安がある方のための、
電話再診(電話処方)も行っております。
慢性的な目の病気をお持ちで、
定期的に当院に受診されている方が対象です。
あわせてご覧ください。
新型コロナウイルス感染が疑われる方は、
必ず事前に
かかりつけ医(内科、小児科等)
もしくは最寄りの受診・相談センター
に電話で相談し、
指示を受けていただけますよう、
よろしくお願いいたします。
大宮はまだ眼科西口分院の最寄りの
新型コロナウイルス感染症に関わる相談窓口:
●かかりつけ医がない方
●新型コロナウイルス感染症と
インフルエンザ両方の
診療を行っている医療機関をお探しの方
●受診先の確認をしたい方
●受診を迷っている方
(1) 埼玉県受診・相談センター
月~土曜日 9時~17時半
TEL: 048-762-8026
FAX: 048-816-5801
※年末年始期間
(12月29日(火)~1月3日(日))は
毎日開設されます。
(2) 県民サポートセンター
TEL: 0570-783-770(24時間)
FAX: 048-830-4808
※年末年始は、 発熱時の受診方法が異なります。
<参考文献>
(1) Xia J, et al. Evaluation of coronavirus in tears and conjunctival secretions of patients with SARS-CoV-2 infection. J Med Virol. 2020 Feb 26. doi: 10.1002/jmv.25725. [Epub ahead of print]
(2) Wu P, et al. Characteristics of Ocular Findings of Patients With Coronavirus Disease 2019 (COVID-19) in Hubei Province, China. JAMA Ophthalmol. 2020 Mar 31. doi: 10.1001/jamaophthalmol.2020.1291. [Epub ahead of print]
(3) Cheema M, et al. Keratoconjunctivitis as the initial medical presentation of the novel coronavirus disease 2019 (COVID-19). Can J Ophthalmol. 2020 Apr 2. pii: S0008-4182(20)30305-7. doi: 10.1016/j.jcjo.2020.03.003. [Epub ahead of print]
(4) Chen L et al. Ocular manifestations of a hospitalised patient with confirmed 2019 novel coronavirus disease. Br J Ophthalmol. 2020 Apr 7. pii: bjophthalmol-2020-316304. doi: 10.1136/bjophthalmol-2020-316304. [Epub ahead of print]
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