こんにちは
大宮はまだ眼科西口分院の福岡詩麻です。
プラケニル®というお薬をのんでいる方は、定期的な眼科受診が必要です。
プラケニル®は、もともとは、マラリアの薬です。
日本では、2015年から全身性エリテマトーデス(SLE)や皮膚エリテマトーデス(CLE)のお薬として使われています。
プラケニル®は別名、ヒドロキシクロロキン塩酸塩(一般名)といいます。
眼底(目の奥)の内側には、薄い膜状の網膜という組織が広がっています。
網膜の中心の黄色い部分を黄斑といいます。
黄斑は、網膜の中でもっとも解像度がよいところ。
すなわち、見ているものの形や色彩をはっきり見分けることができる場所です。
ヒドロキシクロロキン網膜症
プラケニル®の副作用で、目が見えにくくなってしまうことがあります。
ヒドロキシクロロキン網膜症といいます。
黄斑部の網膜が薄くなり
◆視野(見えている範囲)がかける
◆色がわかりにくくなる
◆進行すると、視力がおちる
といった症状がでます。
ヒドロキシクロロキン網膜症の発症頻度は、1%未満から数%と報告されています。
眼科受診のタイミング
眼科では、膠原病内科・リウマチ内科・皮膚科の先生方と連携して、眼の検査をさせていただきます。
●プラケニル®をのみはじめる前
●プラケニル®をのみはじめた後は1年に1回
●ヒドロキシクロロキン網膜症のリスクが高い場合は、よりこまめに
・お薬をのんでいる量の総量が一定の量(200 g)をこえた方
⇒200 mg 1錠と2錠を1日おきの場合は2年をこえたら
⇒200 mg 1錠毎日の場合は3年をこえたら
・腎機能障害、肝機能障害がある方
・プラケニル®をのみはじめる前から視力障害がある方
・プラケニル®をのみはじめた後から、眼科検査(OCTなど)で異常が出てきた方
・SLE網膜症のある方
・高齢の方
毎回、同じ眼科で検査を受けると、プラケニル®をのみはじめる前の検査と比べることができます。
必須ではありませんが、別の眼科で検査を受ける場合は、以前の検査結果の診療情報提供書があると参考になります。
検査項目
ヒドロキシクロロキン網膜症は早期発見が大切です。
早期発見のために、必須とされている検査(◆)が7種類あります。
◆視力検査
◆眼圧測定
プラケニル®ではなく、ステロイドの副作用の確認です
◆細隙灯顕微鏡検査
眼の前の方の診察です
必要があれば、専用のレンズを使って眼底の診察もできます
◆眼底検査
眼底の網膜の写真撮影、診察です
散瞳をする場合があります
◆視野検査
見える範囲に見づらい場所がないかの検査です
◆OCT(光干渉断層計)
眼底の断面写真、網膜の厚みをはかります
◆色覚検査
色の検査です
◇眼底自発蛍光
必須ではないですが、早期の異常がわかる検査です
当院では、超広角眼底カメラで撮影します
プラケニル®をのみはじめた後に、視力が下がってきたり、色覚に異常が出た場合は、プラケニル®を中止する必要があります。
何も症状が出ていないのに、たくさんの検査を受けるのは大変だとは思います。
でも、安全にプラケニル®による治療を続けていただきたいです。
プラケニル®をのんでいる方は、今見えているご自分の眼を大切にするために、眼科で検診を受けてください。
眼科に受診するときは、プラケニル®を内服中であることを医師またはスタッフにお伝えください。
大宮はまだ眼科西口分院では、視野検査が予約制になっております。 プラケニル®開始前の検査もしくは、 プラケニル®内服中で副作用チェックのための検査をご希望の方は、
受診前にお電話でご予約ください。
検査項目が多いので、時間に余裕をもってご来院ください。
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